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ペットフード 59

脂溶性ビタミンに分類される『ビタミンD』は、イワシ・マグロなどの脂肪分が多い魚類・レバー類・卵に多く含まれていて、肉類や野菜類にはほとんど含まれていません。

『ビタミンD』には、植物由来の『プロビタミンD2(エルゴステロール)』と、動物由来の『プロビタミンD3(7―デヒドロコレステロール)』があり、それらが太陽光の紫外線を浴びると『ビタミンD』になるといわれます。

しかしながら……。

それは私たち人間や草食動物の場合であって、先に記した動物由来の『プロビタミンD3(7―デヒドロコレステロール)』は、犬様・猫様の皮膚には充分に存在していません。
そのために、犬様・猫様は太陽光の紫外線を浴びても、『ビタミンD』を自身の体内で生合成することが得意ではありません。
ですので、『ビタミンD』を食事から摂取する必要があるのです。

食事によって体内に取り込まれた『ビタミンD』は、肝臓・腎臓・脂肪組織などに貯蔵されます。
それらの箇所での代謝・活性などを経て、生体利用をすることが可能になります。
故に、肝臓や腎臓に健康異常を抱えていると、活性化不足が原因で様々な障害を引き起こすことがあるそうです。

『ビタミンD』には、小腸上皮細胞における『カルシウム』や『リン』の吸収を促進し、尿中への排泄を減少させる働きがあるといいます。
ほかにも、骨から血中への『カルシウム』と『リン』の放出を促進し、血中のカルシウム濃度を高める生理作用もあります。

そういった働きからも分かるように、『ビタミンD』は骨や歯の成長促進には欠かせないものなので、成長期にはとくに重要な栄養素だと考えられています。
また、一説によれば、『ビタミンD』にはガンの抑制効果があるともいわれています。

だからといって。
『ビタミンD』の過剰摂取は、結果的に『カルシウム』の過剰摂取を引き起こし、ペット様の健康被害が危惧されますのでご注意願います。

その悪影響が最も顕著に現れるのは、子犬様、とりわけ大型犬の子犬様と子猫様であり、成長過程における骨の異常や軟組織への『カルシウム』沈着の危険性が指摘されています。

『カルシウム』沈着は、炎症・変性・軟骨形成障害の原因になるだけではなく、組織の中で結晶化して腎細胞を破壊してしまうそうです。
そうなると、最悪のケースでは、ペット様の死に繋がってしまいかねないといいます。

『ビタミンD』過剰症の具体例には、ほかにも、

・高カルシウム血症
・下痢
・脱水
・食欲減退
・体重減少
・骨代謝および骨化の阻害
・過度の骨石灰化および異所性石灰化

などがあります。

猫様の場合は、上記に加えて、沈うつ・嘔吐・嗜眠状態を招くとの報告もあります。

〈続く〉

あなた様とあなた様の大切な存在が
今も明日もLucky Lifeを送れますように

富山桃吉