ビタミンB群のひとつである『ナイアシン』は、『ビタミンB3』・『ニコチン酸』・『ニコチンアミド』などとも呼ばれていて、水溶性ビタミンに分類されます。
摂取によって期待できる効果は、循環器・消化器・神経の働きを助けたり、統合失調症の緩和・アレルギーの緩和など多岐に渡るが故、私たち人間の健康にとって重要な栄養素といえます。
重要なのはペット様においても同様で、摂取によって期待できる効果には、以下のようなものがあげられています。
・『炭水化物』の代謝
・『タンパク質』の代謝
・『脂質』の代謝
・脳神経機能の補助
・中枢神経系の機能向上
・血液循環の促進
・性ホルモン合成への関与
・インスリン合成への関与
・発作の抑制
・異常行動の減少
・酵素の働き補助
また。
ほかのビタミンB群やアミノ酸との複合作用で『セラミド』の合成を促進し、皮膚を乾燥から保護する働きもあるとされますので、ぜひとも、ペット様に過不足のないようにお与え頂きたいと存じます。
ちなみに。
犬様の場合、肉類や乳製品などに多く含まれる必須アミノ酸の『トリプトファン』(『ペットフード 43』参照)から、『ナイアシン』を合成できるそうです。
とはいっても、残念ながら、一日に必要な量を補えるわけではないので、食事からの摂取が望まれます。
猫様の場合は、『トリプトファン』を『ナイアシン』に変換することが得意ではありません。
ですから、猫様も、一日に必要な量の『トリプトファン』を食事から摂取する必要があります。
その必要量は、犬様の約4倍といわれています。
微量ですが、『ナイアシン』は多くの食品に含まれています。
その中でも、酵母・肉類・肉類副産物・魚類・穀類・ピーナッツなどには多く含まれています。
逆にいうと、野菜中心の食事を与えられているペット様は、『ナイアシン』を充分に摂取できていない可能性が考えられますので、ご配慮頂けたらと存じます。
『ナイアシン』の過剰摂取で懸念される健康被害は、下痢・嘔吐・肝機能障害です。
犬様の『ナイアシン』欠乏症に関しましては、
・食欲不振
・体重減少
・腹部の皮膚炎
・後肢の皮膚炎
・舌炎
・神経障害
・舌潰瘍
・舌、軟口蓋、歯茎などの壊死を起こす黒舌病
・出血性の下痢と、その後の便秘
が心配されます。
猫様の『ナイアシン』欠乏症に関しましては、
・食欲減退
・体重減少
・下痢
・衰弱
・悪臭を伴う唾液を垂らす
・口内潰瘍
だといわれています。
それだけにとどまらず。
ある指摘によれば、そもそも猫様は『ナイアシン』の摂取無しでは健康を保つのが難しい生体特徴を持っているがため、『ナイアシン』を20日間摂取しなかった場合、死に至ってしまうとのことです。
〈続く〉
あなた様とあなた様の大切な存在が
今も明日もLucky Lifeを送れますように
富山桃吉