前回までの本ブログで『ミネラル』の全体像を掴んで頂いたので、ここからは個別の『ミネラル』について書かせて頂こうと存じます。
はじめに、『マクロミネラル』の中でも特に重要なものである、『カルシウム(Ca)』と『リン(P)』についてです。
『ペットフード 90』で、
・ある特定の『ミネラル』だけを摂取しても、効能を期待できる度合いは薄い
・ある特定の『ミネラル』摂取が多すぎる、または少なすぎた場合、ほかの『ミネラル』の吸収に悪影響が出たりする
とお伝えしましたが、正に『カルシウム(Ca)』と『リン(P)』が、その一面を持っています。
『カルシウム(Ca)』と『リン(P)』は栄養学的に見ても密接な関連があり、たとえば、『リン(P)』の過剰摂取は『カルシウム(Ca)』の吸収を阻害してしまうといいます。
また、『リン(P)』の摂取量は『カルシウム(Ca)』の摂取量よりも少なくするべきで、そうしないと、それぞれが正常に機能することができないばかりか、犬様・猫様に役立つはずの栄養価が共に減少してしまうので注意が必要です。
であるからして、『カルシウム(Ca)』と『リン(P)』はバランスよく摂取する必要があります。
具体的にいえば。
適正な比率としては、犬様の場合、
『カルシウム(Ca)』:『リン(P)』=1.2〜1.4:1
が理想とされていて、猫様の場合は、
『カルシウム(Ca)』:『リン(P)』=1.0〜1.4:1
が理想だそうです。
その摂取比率に近い食事をすることによって、犬様・猫様の体内の恒常性が保たれる上、体内作用の相乗効果がより期待できます。
もちろん、個体別の発育段階や成長速度に大きく依存しますし、年齢・性別・種類・生活環境・運動量などもそれぞれが違うので一概にはいえませんが、ご参考までにご紹介すれば。
米国飼料検査官協会(AAFCO)が2014年に公表した、犬様における『カルシウム(Ca)』の最少栄養要求量(フード100kcal中に含まれるべき最低量)は、犬様の場合で125mg(成長期・妊娠期・授乳期は300mg)とされています。
それに対して、『リン(P)』の最少栄養要求量(フード100kcal中に含まれるべき最低量)は、100mg(成長期・妊娠期・授乳期は250mg)とされています。
猫様における『カルシウム(Ca)』の最少栄養要求量(フード100kcal中に含まれるべき最低量)は、150mg(成長期・妊娠期・授乳期は250mg)とされています。
それに対して、『リン(P)』の最少栄養要求量(フード100kcal中に含まれるべき最低量)は、125mg(成長期・妊娠期・授乳期は200mg)とされています。
〈続く〉
あなた様とあなた様の大切な存在が
今も明日もLucky Lifeを送れますように
富山桃吉