『カルシウム(Ca)』と『リン(P)』が、互いに協調して及ぼす体内作用の主なものは、
・骨の主成分となる
・歯の主成分となる
・血液凝固の補助
・筋肉の収縮
などがあります。
加えて、神経伝達などの補助によって骨から血液中に移り、血中カルシウム濃度の調節も行います。
上記に記した体内作用に関わっているので、『カルシウム(Ca)』と『リン(P)』の摂取バランスが崩れると、骨の石灰化異常や骨の形成異常を引き起こす恐れがあります。
ほかにも。
『カルシウム(Ca)』が不足している上に、『リン(P)』が過剰になっている場合、骨格が脆くなって骨折が生じ易くなりますし、慢性腎疾患の進行を促進してしまう危険性もはらみます。
その反対で、『リン(P)』が不足している上に、『カルシウム(Ca)』が過剰になっている場合、過剰分が内臓や骨の周囲に付着してしまいます。
『カルシウム(Ca)』の品質にもよりますが、内臓に付着してしまったそれは取り除くことが困難だといいいます。
ついでに申し上げますと。
『カルシウム(Ca)』と『リン(P)』の腸管からの吸収を促進してくれる栄養素があります。
それは『ビタミンD』(詳細につきましては『ペットフード 59』・『ペットフード 60』・『ペットフード 61』を参照)です。
その関連性も重要で、犬様・猫様の体内に『ビタミンD』が存在しないと、たとえ『カルシウム(Ca)』と『リン(P)』を適正バランスで摂取したとしても、それらが正常に作用することができません。
また、『カルシウム(Ca)』及び『リン(P)』が過剰ですと、ひいては『マグネシウム(Mg)』不足に繋がり、成長期の犬様・猫様の元気低下や筋肉の衰弱が心配されます。
ですので、『カルシウム(Ca)』と『リン(P)』の摂取バランス(詳細につきましては『ペットフード 92』を参照)には、くれぐれもお気をつけください。
さて。
ここからは、『カルシウム(Ca)』についてを、もう少し掘り下げていきたいと存じます。
『カルシウム(Ca)』は、
・豆類
・ゴマ
・乳製品類
・ブロッコリーやキャベツなどの野菜類
・ひじきをはじめとする海藻類
・哺乳類、鳥類、魚類の骨
などに多く含まれていて、比較すれば少量ですが、肉や内臓にも含まれています。
とはいえ。
『カルシウム(Ca)』は、その含まれている食品によって、吸収率に違いがあります。
その観点でいえば、哺乳類、鳥類、魚類の骨には確かに『カルシウム(Ca)』が豊富ですが、吸収率は良くありません。
一方、野菜類や海藻類に含まれる『カルシウム(Ca)』は吸収率が良いといわれているので、それらから摂取することをお勧め致します。
尚、たとえばひじきをお与えになる際は、そのままでは消化が良くないので、細かく刻んだり粉末にしたりするなどの一手間を加えて頂ければと存じます。
〈続く〉
あなた様とあなた様の大切な存在が
今も明日もLucky Lifeを送れますように
富山桃吉