犬様・猫様にとっての『カルシウム(Ca)』必要量は、私たち人間よりも多いといわれています。
『ペットフード 93』と重なる部分もありますが、90%以上が骨と歯に貯蔵される『カルシウム(Ca)』の主な体内作用は、
・『リン(P)』や『マグネシウム(Mg)』と共に骨や歯の主成分となり、それらの健康を維持する
・心臓の鼓動に関与する
・筋肉の収縮や弛緩に関与する
・興奮を鎮めたり、精神を安定させる神経伝達に関与する
・血液を微アルカリ性に保つ
・血液凝固に関与し、出血を防ぐ
・各種ホルモンの分泌に関与する
・唾液の分泌に関与する
・胃液の分泌に関与する
・細胞の分裂・分化の促進
・白血球の食菌作用の補助
・『鉄(Fe)』の代謝に関与する
・体液の恒常性維持
などです。
また。
血液中の『カルシウム(Ca)』が不足した場合は、骨に貯蔵されている『カルシウム(Ca)』が血液中に移り、調節をする働き(喉の付近にある上皮小体からホルモンが分泌されて関与)もします。
故に、その働きが継続すれば、当然ながら体内の『カルシウム(Ca)』が不足し、骨格が脆くなって骨折が生じ易くなります。
『カルシウム(Ca)』不足が招く欠乏症については、ほかにも、
・発育障害
・食欲低下
・動悸
・湿疹
・神経過敏
・身体のこわばりや四肢の変形による歩行困難
・骨密度の低下
・骨粗鬆症
・歯牙の緩み
・歯肉のびらん
・骨の石灰化不良
・出血
・高血圧
・関節炎
・コレステロール値の上昇
・強直性痙攣症
・腸内細菌の異常
・不妊
・出産時や授乳時の痙攣(メス犬様・メス猫様)
・テタニー(血液中の『カルシウム(Ca)』と『マグネシウム(Mg)』の減少が起因して、痺れや痙攣が見られる病)
・クル病(上皮小体が過活動になってしまい、骨が脆い状態になってしまう病)
・シュウ酸カルシウム結石のリスクが高まる
などが心配されます。
さらには、血清カルシウム濃度が、犬様で9mg/dL以下、猫様で8mg/dL以下になると、低カルシウム血症になってしまいます。
ちなみに。
血清カルシウム濃度が、7.5?9.0mg/dLだと無症状ですが、7.5mg/dL以下なら元気が消失し、食欲不振になってしまうといいます。
そうした後には神経過敏症状が認められ、筋攣縮やテタニーなどの症状が出てくるそうです。
万が一、低カルシウム血症になってしまうと、基礎疾患の根治が必要となるので、直ちに健康回復とはいきません。
ですから、『カルシウム(Ca)』不足にならないように、犬様・猫様の日々の食事にはご配慮願います。
〈続く〉
あなた様とあなた様の大切な存在が
今も明日もLucky Lifeを送れますように
富山桃吉