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ペットフード 95

『カルシウム(Ca)』の過剰摂取による過剰症には、

・食欲低下
・ネフローゼ
・歩行困難
・肋軟骨の接合部分の肥大
・シュウ酸カルシウム結石のリスクが高まる
・腎不全
・骨の形成異常
・骨軟骨症
・発育障害
・『マグネシウム(Mg)』の欠乏
・『鉄(Fe)』の吸収阻害
・『銅(Cu)』の吸収阻害
・『亜鉛(Zn)』の吸収阻害
・甲状腺機能の低下

などがあります。
さらには、血清カルシウム濃度が、犬様・猫様共に12mg/dL以上になると、高カルシウム血症が懸念されます。

高カルシウム血症になってしまうと、その血清カルシウム濃度の高さから、犬様・猫様の全身に悪影響が及びます。
とりわけ心配なのは、神経筋・胃・腸管・腎臓・心臓への健康被害だといいます。

その例をいくつか申し上げれば。
高カルシウム血症が招く二次性腎性尿崩症や腎臓の異所性石灰化などを患ってしまうと、多飲・多尿になってしまいます。
ほかにも、中枢神経系や末梢神経系の異常が起因して、元気が消失することに伴う食欲不振になり、便秘・衰弱・発作を起こす危険性もあります。

また、血清カルシウム濃度の増加具合が軽度であれば健康被害の症状はあまり認められないといいますが、重度の高カルシウム血症(18mg/dL以上)になってしまうと不整脈が生じてしまい、犬様・猫様の命に関わってしまうので油断は出来ません。

ちなみに。
個体別の発育段階や成長速度にもよりますが、犬様も猫様も成長期には骨がどんどんと成長するので、自然と『カルシウム(Ca)』の必要量が増加します。
とくに生後6ヶ月未満の犬様・猫様ですと、腸管からの『カルシウム(Ca)』吸収能力がまだまだ未熟が故、摂取した分の50%が受動的に吸収されてしまうそうなので、他の『ミネラル』とのバランスにご配慮が必要であると存じます。

『カルシウム(Ca)』にまつわることの最後に。
『カルシウム(Ca)』含有のサプリメントについて触れておきたいと存じます。

ここまで書いたように、『カルシウム(Ca)』のみを犬様・猫様にお与えになっても、その効能をほとんど期待できません。
たとえば、『カルシウム(Ca)』は確かに骨の構成成分となりますが、実際に骨と骨とを繋ぐ成分は『コンドロイチン』と『コラーゲン』です。
それらを有効に機能させるためには、『ビタミンC(アスコルビン酸)』(詳細につきましては『ペットフード 79』・『ペットフード 80』参照)が欠かせません。

加えて、『カルシウム(Ca)』を体内吸収するには、『ビタミンD』(詳細につきましては『ペットフード 59』・『ペットフード 60』・『ペットフード 61』を参照)が必要であることは、『ペットフード 93』で綴った通りです。

上記を踏まえた上で、仮にサプリメントで補うならば、『カルシウム(Ca)』単体ではなく、『リン(P)』・『ビタミンC(アスコルビン酸)』・『ビタミンD』・『グルコサミン』・『コンドロイチン』・『コラーゲン』などが含まれているものの方がよろしいかと存じます。

ただし。
健康体の犬様・猫様で、各年齢に即した良質な『総合栄養食』を食している場合は、無理にサプリメントで補う必要はないとも存じます。
額面通りに受け取れば、良質な『総合栄養食』には必要量の各栄養素が添加されているはずなので、かえって過剰摂取になってしまいかねないからです。

〈続く〉

あなた様とあなた様の大切な存在が
今も明日もLucky Lifeを送れますように

富山桃吉