動物の感染症について、ペット様と暮らす飼い主様方はどこまで留意なさっているであろうか――
今月14日の≪産経新聞≫の記事を読み、私はそんなことを思った。
当該記事内容によると、犬様や猫様などの動物から私たち人間に感染するといわれている”コリネバクテリウム・ウルセランス感染症”によって、死亡者が発生したという。
”コリネバクテリウム・ウルセランス感染症”は、人獣共通感染症である。
人間から人間に感染することは、ほとんどないらしい。
厚生労働省によれば、それによって死亡者が確認されたのは国内初(これまでに海外でも数十例の感染報告がおり、死亡者も出ているそう)で、今月、各自治体・日本医師会・日本獣医師会など情報提供を行った。
”コリネバクテリウム・ウルセランス感染症”は抗菌薬などで治療が可能だというが、家畜のみならず、ペット様も保菌している可能性がある”コリネバクテリウム・ウルセランス菌”に感染することで発症する。
表面化する症状としては、喉の痛みや咳などの風邪の症状に似ているもので、重症化すると呼吸困難などを引き起こし、最悪の場合には死亡することもあるので要注意だ。
今回、”コリネバクテリウム・ウルセランス感染症”で亡くなられた方は、福岡県在住の60代の女性だという。
血液などから”コリネバクテリウム・ウルセランス菌”が検出されたその女性は呼吸困難で救急搬送されたそうだが、3日後に亡くなられた。
この女性が、どのようにして”コリネバクテリウム・ウルセランス菌”に感染したのか――
疑われている感染理由としては、屋外にて、3匹の野良猫様へのエサやリをしていたことが挙げられている。
国立感染症研究所によると、国内で初めて”コリネバクテリウム・ウルセランス感染症”の感染例報告があったのは平成13年とされており、
平成29年11月末までには、今回亡くなられた女性を含めて25人の感染を確認しているという。
しかしながら、だ。
日本国内において、”コリネバクテリウム・ウルセランス感染症”は、感染症法に基づく届け出義務がない感染症である。
そのため、感染例の実数はもっと多いのではないか、という可能性が指摘されている。
感染報告があった場所は北海道から九州に渡るので、自分は大丈夫だと楽観視するのは避けるべきであろう。
ちなみに、感染報告された方々のほとんどが犬様や猫様と暮らしていて、彼らとの接触があったらしい。
その事実に基づき、同研究所は国民に対して”ペットとの濃厚な接触は避け、体調が悪くなったらすぐに医療機関に行ってほしい”と注意を呼びかけている。
〈続く〉
あなた様とあなた様の大切な存在が
今も明日もLucky Lifeを送れますように
富山桃吉