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動物の感染症 17

過去ブログ『動物の感染症 16』で取り上げたように、厚生労働省によれば、WHO(世界保健機関)で把握されている”動物由来感染症”は、現在200種類以上あるそうだが――
それら”動物由来感染症”のすべての病原体が、私たちが暮らす日本に存在しているわけではない。
今現在の日本で懸念されている”動物由来感染症”は、数十種類程度だと考えられている。

では。
世界と比較して、日本にはなぜ、”動物由来感染症”が少ないのか――
理由の一つとして、地理的な要因が挙げられている。

地方によって暑さ寒さの差はあれど、日本全体は温帯に位置する島国である。
そのため、熱帯地域や亜熱帯地域に多いとされる”動物由来感染症”の影響を受けることがほとんどない。
加えて、島国である特性上、周囲は海に囲まれている。
おかげで、”動物由来感染症”の病原体を保有している野生動物が、陸上経由で隣国から侵入してくることもない。
”動物由来感染症”が少ない理由として、それらのことが大きく関係していると考えられている。

もう一つの理由としては。
他国に比べ、日本では家畜衛生対策などが徹底されている、という誇らしい現実があるからだ。
家畜衛生対策・狂犬病対策を、獣医学分野が中心となって徹底してきた。
その結果、家畜から私たち人間に感染する感染症(家畜由来のブルセラ病や牛型結核など)が、現代ではほとんど見られなくなった。
それだけではなく、現代の日本では、”動物由来感染症”の一つである狂犬病の心配もなくなった。
このことについても、家畜衛生対策などが徹底されている証である、といえるだろう。

さらには、他国の人々と比較した場合の、私たち日本人が有する衛生観念も無関係とはいえない。
日本人は日常的に、衛生観念の強い国民であるが故、幼少の頃から家や学校での手洗いが励行されている。
街の衛生状態についても、先進国の中でトップクラスだといわれている。(ただし、誠に残念ではあるが、一昔前と比べると、現代人の衛生観念は著しく低下しているのも事実である)

とにもかくにも、だ。
上記に書いた理由などを筆頭に、世界と比較して、日本には”動物由来感染症”が少ない現状がある。

だからといって、完全に安心というわけにはいかない。
日本には多くはないといっても、世界ではいくつもの”動物由来感染症”が発生しているからだ。
なので、海外に赴いた際は、野生動物にむやみやたらと触れることを絶対に避けるべきである。

〈続く〉

あなた様とあなた様の大切な存在が
今も明日もLucky Lifeを送れますように

富山桃吉