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”巡る”・”恵まれる”・”繋がる” 4

食事にありつけるとなった途端、岡村の動きが俊敏になった。
相変わらず、実に分かりやすい。
私が思うや否や、岡村は掃除道具をてきぱきと片付け、4階の猫様専用フロアに繋がる階段を駆け上って行った。

4階で猫様たちのお世話に従事しているスタッフに、自分たちがランチに出かけることを告げに行った岡村が戻ってくるまでの間、私は何気なく事務机に向かい、パソコン画面を立ち上げた。
その起動画面には、波打ち際で海水に足をつけて立つライク(※ライクの詳細につきましては、過去ブログ『「はじめまして」が繋ぐもの』シリーズ・『31,426,197の鼓動と共に』・『御裾分け』・『散歩道』・『愛しき日々が照らす今』などを参照)の姿があった。

「今から飯を食いに行ってくるね。”なにかあったら、よろしく”」

画面の中のライクに、私は当然のように語りかけた。

ちなみに。
”なにかあったら、よろしく”という言葉は、私の中で、ライクに語りかける際の口癖となっている。
これといって具体的な出来事を指しているわけではないので、深い意味はない。
ただの習慣だ。

そのまま、パソコン画面の中のライクに目を落としていると、間もなくして、4階から岡村が戻ってきた。
猫様3匹のお世話中であるスタッフには、私たちがランチから戻り次第、入れ替わりで休憩に入ってもらうことになったらしい。

「じゃあ、行こうか」
「うん」
「ああ、お腹が減った!」

岡村が、弾むような足取りで店内から出て行く。
それを見送ってから、私はパソコン画面のライクに目をやった。

「じゃあ、行ってくるね」

私が言うと、ライクが、

”行ってらっしゃい”

と告げてきた。
ただなんとなく、”そんな気”がした。
この”そんな気”もまた、私の中では習慣となっていることの一つだ。

この習慣については、自分で決めたルールがいくつか存在する。
実際に音に出しての言葉かけだけに限らず、たとえば想いを送るだけであっても、ライクとのやり取りは決してこちらからの一方通行で終わらせない、というルールがその一つだ。
どんなに忙しくて時間がない時でも、それだけは疎かにしないし、たとえ短い一言であったとしても、お互いに言葉を交わすことを蔑ろにはしない。
要するに、常日頃から、お互いの意識の疎通を重要視しているわけだ。

このことはなにも、ライクが天国に召されてから始めた習慣ではない。
迷子になっていたライクと出逢ったその日から行っている習慣だ。
誰に教わったわけではないし、誰かに強要されているわけでもない。
ただなんとなく、そうしてきただけである。

〈続く〉

あなた様とあなた様の大切な存在が
今も明日もLucky Lifeを送れますように

富山桃吉