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平成28年度 『動物取扱責任者研修』を終えて 4

講師の方が述べた、”生得的因子”は、

・脳の器質的障害(水頭症など)
・中枢神経系の機能的障害
・両親の気質(遺伝的要因)

だそうです。

出生から飼い主様の手に渡るまでの”習得的因子”は、

・妊娠期の母親のストレス
・母性行動の質と量
・犬(母親や兄弟)との充分な交流(=同種の社会化)

だということです。

また、出生から発育期間を通じて子育てに補助的に関わる人間の影響も無視できないことだ、と仰っていました。
具体的にいうと、

・発育過程に必要な栄養的欲求が満たされない管理的栄養不足
・高温、低温、不衛生、騒音といったストレス環境
・飼育者からの虐待やネグレクトによる心的外傷
・ウイルス、細菌、寄生虫などの感染性疾患や外傷などの身体的健康の障害
・社会的隔離や狭い居住域など本来の行動が自由に発現できない行動的制約

などが、それにあたるそうです。

飼い主様に渡って以降の”習得的因子”は、

・飼い主様とのミスマッチング
・不適切な飼育管理と社会科不足、馴化不足(=動物飼育に関する飼い主様の知識経験不足)
・飼い主様との関係構築の不備(=誤った優位性理論)
・対応に一貫性がない
・嫌悪刺激を用いる
・”問題行動”の「芽」を見過ごし放置する

などだそうです。

このように、”問題行動”を引き起こす具体的な原因には様々なものがありますが、その中の多くは、『5つの自由』の不備によるものだとされています。

ちなみに。
1960年代に、家畜福祉向上の目的で定められた『5つの自由』とは、世界獣医協会の基本方針にも取り入れられているもので、

・飢えと渇きからの解放(=正しい食事管理と新鮮な水の保障)
・不快からの解放(=清潔で心地よい住環境の保障)
・痛み、怪我、病気からの解放(=疾病予防、早期発見、治療の機会の保障)
・恐怖と絶望からの解放(=恐怖や精神的苦痛を与えられない保障)
・正常な行動を示す自由(=その動物種がもつ生来的行動をとることの保障)

のことです。
要するに。
飼育環境や条件が、その個体にとって適切かどうかを評価するときには『5つの自由』を最低基準として考えるべきだ、ということです。

このことについては、家畜動物様だけに当てはまることではありません。
ペットショップで購入しようが、ブリーダーから購入しようが、動物愛護団体から引き取って里親になろうが、路上での保護または知人からの譲り受けだろうが、ペット様と暮らすすべての飼い主様が遵守するべき最低基準です。

〈続く〉

あなた様とあなた様の大切な存在が
今も明日もLucky Lifeを送れますように

富山桃吉