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明日は今日よりも 中

ネパールの警察当局によって救出された二頭の”踊る熊”はナマケグマという種類の熊で、オスのランギラ(19歳)とメスのスリデビ(17歳)だ。
ちなみに。
ナマケグマはインド・ネパール・スリランカ・ブータンなどに生息しているのだが、今現在、国際自然保護連合(IUCN)がまとめている絶滅危惧種の『レッドリスト』に含まれている。
ナマケグマの生息数はおよそ2万頭ほどと推定されていて、今尚、その数が減り続けているという。
原因は開発による自然破壊でナマケグマの生息地がどんどんと縮小していることや、密猟の横行だとされる。

さて。
過去ブログ『明日は今日よりも 上』で書いた通り、1973年の時点で、ネパールにおいての熊の見世物は禁止されている。
にもかかわらず、この度、二頭が救出されたというのは、どういうことかというと。
秘かに、”踊る熊”の見世物で商売を続けていた大道芸人を、同国の警察当局や動物愛護団体が、一年以上をかけて追跡していたからである。
その粘り強い追跡の結果、当該大道芸人の居場所(インドとの国境に近いラウタハトという場所)を突き止めたという。
そうして、ランギラとスリデビは救出されたわけだ。

そもそも。
インド亜大陸における”踊る熊”の伝統は、13世紀に遡る。
当時の調教師は、王族の支援を受けたイスラム教徒のカランダル人だったそうだ。
それに属する調教師が、富裕層の人や権力者の前で、”踊る熊”の芸を披露していたという。

だがしかし、時代が流れ、その伝統は形を変えた。
やがて現代を迎え、ランギラとスリデビの救出劇に繋がるわけだが――
”踊る熊”にされてしまう熊たちは、大抵の場合が密猟で、子熊の時に捕らえられて闇で売買されるらしい。

売買された子熊が、どのような経過を辿り、”踊る熊”として調教させられていくのかというと――
先ず、売買された子熊は、熱した鉄棒で鼻に穴が開けられ、ひもや鎖で繋がれる。
それを、調教師が無理矢理に引っ張って子熊の自由を奪う。

当然ながら、子熊は必死で抵抗する。
それを許さず、調教師は激しい体罰を与える。

子熊は、嫌がるうちに、後ろ足で立ち上がったりする。
その動きを子熊が繰り返すように、調教師はさらなる体罰を与え続ける。
子熊は体罰を恐れ、逃れようと動く。
その姿が、まるで踊るように見えることから、調教師は子熊に同じ動きを要求し続ける。

そうした繰り返しの挙句に――
”踊る熊”という見世物が誕生するわけである。

〈続く〉

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今も明日もLucky Lifeを送れますように

富山桃吉