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昨今のペット飼育事情について 〜犬様のお散歩にまつわる事〜5

「散歩中にあっちこっちに行きたがったり、立ち止まってしまいがちな犬様について、K様の見解をお聞かせ願えますか」
「先ず、あっちこっちに行きたがる件、いわゆる引っ張り癖についてですが」

K様は考えをまとめながら、首の後ろを掻いた。

「心理的要素から考察すると、犬が興味を持った事柄に対して楽しんでいる行動の現れかと思います。概ね、若い犬に多い傾向で、歳を重ねるにつれて減っていくのが一般的といわれています」
「体力面も関係あるのですかね?」
「それもあるでしょうが、日常化した生活サイクルの中での刺激が、どんどんと少なくなっていく事も要因の一つでしょうね」

考えてみれば、それは若い犬様でもシニア犬様でも共通していえる事柄だ。
毎日を、繰り返される一日に過ぎないと捉える人にも当てはまるだろう。

朝起きる。
朝食を食べる。
仕事や学校に行く。
昼食を食べる。
仕事や勉強をこなす。
帰宅する。
夕食を食べる。
寝る。

これらを無意識的に行う間に、趣味に興じたり運動したり、付き合いやお出掛け、入浴などの時間が入るわけだが、それらは意識的・自発的な行動であるし個性による。
なので、ここでは、日常的に繰り返される生活部分だけにフォーカスを当てて考えてみる。

先に挙げた毎日の生活様式は、対人関係も含めた心身の健康を維持出来ている前提であれば、ほぼ無意識的に滞りなく済ませられる習慣だ。
ただし、ややもすると、そこに刺激(反道徳的・反社会的・反人道的な過ちという意味でなく)が多いわけではない。
平穏さを感じられているならば別だが、平坦さだけを切り取ってしまうと飽きて、他者との無意味な比較で不満を募らせる人も少なくないのではないだろうか。
意図的に乱れを欲し、無理くりバランスを崩す事によって、平穏さを実感する行動に出る人もいるかもしれない。

では、その論法を犬様に応用してみる。

朝起きる。
飼い主様に朝食をもらう。
飼い主様が仕事や学校に出掛ける間、留守番する。
飼い主様が帰宅する。
飼い主様に夕食をもらう。
寝る。

これらどこかの間に、飼い主様と遊ぶ時間やお出掛けが入るであろうし、散歩や食事の回数もまちまちであろうから、個別詳細は省くとして。
心身の健康を維持出来ている前提であれば、大概の犬様(猫様を含めた他のペット様にもいえる)はそうした日常を過ごしている。
そこに刺激(不健康的・危険的という意味でなく)が多いかといったら、そうではない。
広義に解釈すれば、習慣的な毎日ともいえる。

「それが、引っ張り癖に通ずる要因の一つとして存在していると考えます」

K様の意見に、私の感心は強く引き付けられた。

〈続く〉

あなた様とあなた様の大切な存在が
今も明日もLucky Lifeを送れますように

富山桃吉