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昨今のペット飼育事情について 〜犬様のお散歩にまつわる事〜7

「順番に答えていきましょう。先に、大人しく散歩中、犬が気になる対象に向かって行こうとする仕草を見せた時についてですが、それは対象によって対応を変えるのが望ましいでしょうね」

私は、K様の仰った意味の詳細を紐解きにかかった。

「メビー・ラックをご利用なさっている飼い主様方からもよく耳にする悩みなのですが、犬様が、においを嗅ぎながら気になった対象に向かってしまう場合はどう対応するのがいいでしょうか?」
「前提として、ボクは、それが問題行動だと思っていません。なので、飼い主は悩みに思わなくても良いのではないかと」

K様は自身の言葉に一層の熱を込めて続けた。

「においから色々な情報を得るのは犬の習性ですから、止めさせる事に期待を寄せても望む結果は得られないでしょう。しつけトレーニングの方法を用いて犬様に我慢を覚えさせることは出来ても、生態そのものを変えることは不可能なのだから、それに頼ることはナンセンスというものです」
「では、犬様が興味を抱くにおいに引き寄せられた時、K様ならどうするのですか?」
「拾い食いや事故防止なども含め、その状況が犬にとって危険でないと判断できるならば、掻き立てられた犬の好奇心をボクは妨げる事はしません。せっかくの、刺激を受けた機会ですからね」
「無理にリードを引っ張って、犬様の行動制限や矯正をしない、という事ですか?」
「そうですね。なぜって、ノーリード反対派のボクの手は、犬に繋がったリードを必ず握っているからです。ですから、常に適切な距離感の中に犬がいるので、そのような行動に出る局面を迎えません。付け足して言うならば、例え自身が疲労していたとしても、暑くても寒くても、散歩を早く終わらせたいからといって、ボクの都合を一方的に犬に押し付けたりはしません。つまりは、散歩を楽しんでいる犬の『自由』を奪わない姿勢です」

誤解なきよう断っておくが、K様が考える犬様の『自由』とは、安全確保という条件付きの『自由』だ。
不必要な束縛や服従を用いたりはしないので、犬様を従わせるそれとは明らかに趣意が異なる。
その観点からするに、やはりK様は犬様の意志を尊重する事に躊躇が無いようだ。
加えて、犬様とは対等な関係である事を理想としているように思えた。
それは、つぎのK様の言葉で確信に至った。

「つまるところ、ボクだったら、犬が気になるにおいに向かって行こうとする仕草を見せたら、一緒について行きます。『どうした? どんなにおいがするんだい?』って話しかけながら」

そう言いながら、K様は屈託のない笑顔を浮かべた。

つられて口角が上がった私は再認識した。
犬様と飼い主様が交わす、ウソのないコミュニケーションの構築??
それこそが、リードよりも確かな繋がりを約束し、ノーリードよりも確かな愛を結ぶ源水である、と。

〈続く〉

あなた様とあなた様の大切な存在が
今も明日もLucky Lifeを送れますように

富山桃吉