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運命の出会い 13

その後も続いたF先生の丁寧な説明によれば、猫が先天性疾患で心臓を患う原因は詳しく分かっていないのが現状だそうです。
とはいえ、かなりの確率で、免疫的・遺伝的な要因が疑われているといいます。

「僕が今日行った診察方法は、聴診によって心臓の雑音の有無を確認すること・X線検査によって心臓の大きさを確認すること・超音波検査によって血流や僧帽弁の異常を確認することで、とにもかくにも、心臓の状態を診させてもらいました」

F先生の言葉を現実的に受け入れようと、カップル様は一つ一つに相槌を打ちながら聞いていました。
懸命に努力なさっているその姿勢に、私は涙ぐましさを覚えました。

「今後の状態の程度によっては、心電図や血液検査なども行う予定でいます。レアちゃんの心臓に、どのぐらいの負担がかかっているかを把握する為です。都度都度の検査結果から、その時に望ましいと思われる治療方針を立てていくつもりです。もちろん、飼い主さんのご意向も尊重させて頂くので、気がかりなことがあったら、なんでもご相談くださいねえ」

そう仰ったF先生に、カップル様は頭を下げました。

重度の心臓病を持って生まれた猫様は、生後まもなくだったり、成猫様への成長を待たずにお亡くなりになってしまうのがほとんどだと、私は経験から知っていました。
お亡くなりにならないまでも、普段から呼吸が荒かったりする猫様だと、じっと蹲って動こうとしませんし、身体が大きく成長しないままの猫様もいます。
また、あまり症状が現れていないのに、たちまちにして状態が悪化し、突然死してしまう猫様もいます。

それらの事例をオブラートに包みながらカップル様に伝えて、F先生は続けました。

「レアちゃんが患っている心臓病はねえ、重度になると肺水腫を起こしてしまって、呼吸困難になりやすくなる危険性も伴います。普段の生活で現れやすい症状は、運動をした後に息苦しそうにしたり、空咳をしたり、少し動いただけでも疲れやすいなどがあります。でもねえ、猫は我慢強いから、具合が悪くても、飼い主に分かるようにアピールしたりはしません。だから、口を開けっぱなしで呼吸していたりしたら、かなり苦しい状態だろうと判断してあげた方がいいでしょう。そういう様子が少しでも見えたら、出来るだけ早く動物病院に連れて行くことです。……まあ、出来ればそういう症状を現さなくてもすむように気をつけてあげて、はしゃぎすぎが懸念される時は、ケージの中などに入れて休ませてあげてくださいねえ」

それを聞いた時、カップル様はたまらずに手を握り合いました。
私は前のめりになって、F先生の治療方針を尋ねました。

「レアちゃん、手術をする可能性がありますか?」

〈続く〉

あなた様とあなた様の大切な存在が
今も明日もLucky Lifeを送れますように

富山桃吉