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運命の出会い 16

それからの毎日。
カップル様とレアちゃんの心は、日を追うごとに鮮明な確証をもって通じていったそうです。

カップル様はF先生のアドバイスを守って、極力留守にしないように、レアちゃんとの時間を重ねていきました。
仕事の都合などでどうしても長時間にわたって家を空けざるを得ない時は、私がレアちゃんの介護パートナーとしてお世話に伺わせて頂きました。

F先生が処方した、心臓の動きと血管の流れを良くする薬が功を奏しているのか、レアちゃんはやたらと発作を起こすことはありませんでした。

レアちゃんは、カップル様が次々にご購入なさるオモチャでよく遊びました。
健康な猫様と比べると、やはり成長不良が見られたものの、体調が良い時はフードもしっかり食べるので、カップル様はレアちゃんの心臓病がこのまま悪化せずに生きていけるのではないかと、希望を捨てずに暮らしていました。

そんな日々が続く、レアちゃんの誕生日間近の早朝でした。
私の携帯に、カップル様からの着信がありました。

「おはようございます。どうなさいましたか!?」
「たった今……レアちゃんが、天国に旅立ちました」

私は静かに瞼を閉じて、レアちゃんのご冥福をお祈りしました。

カップル様のお話によりますと、前夜、床につく際には、レアちゃんにこれといった異常はなかったそうです。
フードもしっかり食べ、オモチャでも遊び、カップル様の布団で一緒に眠りについたといいます。

ですが??
カップル様の願いも虚しく、先天性疾患である心臓病に、レアちゃんの命はさらわれてしまいました。

私はカップル様の了承を得て、すぐさまレアちゃんに会いに行きました。

「昨日は本当に、いつもと同じ夜だったんですよ……。でも、いつもと違うことが一つだけありました。二人とも夢を見たんです。レアちゃんとの楽しかった思い出の夢を」

そう仰ったカップル様の腕の中で、レアちゃんは穏やかな表情で永眠していました。

レアちゃんが先天性疾患で患っていた心臓病は、生まれつき心室に穴が開いている心房中隔欠損症でした。
運命の出会い 13』『運命の出会い 14』でも触れたF先生の診断によれば、穴が小さければ症状が見られないことがあるそうです。

ですが、内科的対処療法で、ある程度症状を抑えたとしても、病気はやはり進行してしまうとのことでした。
完治を目指すには、手術によって穴を閉じることが必要だそうです。
ただそれは大変難しい手術な上、レアちゃんの体力も懸念された為、カップル様は手術回避の選択をなされたまま、こうしてお別れの日を迎えたのでした。

〈続く〉

あなた様とあなた様の大切な存在が
今も明日もLucky Lifeを送れますように

富山桃吉