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飼い猫様の窃盗 122

飼い猫様の窃盗 121』で書いたように、飼い主様の性格が災いに繋がってB君が未発見になってしまうのは避けてあげたいので、私は伝えました。

「あの……およろこびのところ、大変申し訳ないのですが」
「……なんでしょう?」
「あくまで、私が目撃したのは遠目からです。B君だったという確証はありません。B君に似ていたので、無事発見・無事保護のお役に立てればと思い、電話を差し上げただけですので……」
「あ……そうですよね。まだ保護できたわけじゃないのに、つい……」

分かりやすいほどに落ち込んだ飼い主様をフォローするつもりで、私は励ましの言葉を付け足しました。

「なんにせよ、お気持ちはお察しします。一生懸命に捜されているからこその感情でしょうし」
「はい……」
「ただ、余計なお世話かもしれませんが、仮に私が見かけたのがB君だったとしても、飼い主様ご自身が直接その目で確認なさった方が確実だと思いまして」
「そうですよね。Bが行方不明になってしまってから初めての目撃情報だったもので、舞い上がってしまいました……」
「確か、チラシに表記されていたB君の逸走日は、3日前でしたよね?」
「はい。完全に自分の不注意なのですが、洗濯物を干すのに開けた窓から飛び出してしまったのです」
「つかぬことを伺いますが、B君の迷子チラシは、いつ作成したのですか?」
「Bの行方が分からなくなったその日の夜です。Bが飛び出してすぐは、とにかく捜し回っていたので」
「作成したチラシを配布したのは、いつからになりますか?」
「チラシが出来上がった日の深夜から、徹夜で配り始めました」
「枚数は?」
「その日は100枚です。翌日は50枚で、今日はまだ配り始めていません。プリンターの調子が悪くて、チラシの印刷が間に合っていないのです……」

家庭用の一般的なプリンターを使用している以上、たくさんの枚数を短時間でコピーするのに時間がかかってしまうのは、致し方ないでしょう。
ついで、配布した範囲について聞いた私に、飼い主様が答えました。

「まだ、自宅近辺だけしか配れていません」
「150枚といっても、配布するとなると、あっという間に無くなってしまいますものね」
「仰る通りで」
「ちなみに、150枚のチラシは、どのように配布なさったのですか?」
「手あたり次第、ポストに投函しています」
「150枚、すべてをですか?」
「はい」

そのうちの一枚が、私が道で拾ったチラシだったようです。

〈続く〉

あなた様とあなた様の大切な存在が
今も明日もLucky Lifeを送れますように

富山桃吉