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飼い猫様の窃盗 123

それにしても、です。
せっかく作成したチラシを、すべてポストへの投函で消費してしまったのは、少し勿体ないと思いました。
配布した時間が深夜帯だと難しいですが、迷子ペット様のチラシは、やはり手渡しが望ましいとの考えが私にはあります。
限られた枚数のチラシしか用意できないのであれば、尚更です。

というのも、ポストへの投函だけでは、しっかりと周知が行き渡らない可能性があるからです。
ほかに投函されているチラシ類に混ざってしまえば、人目に触れることなく、それらと一緒にゴミ箱へ捨てられてしまうことが大いに考えられますし、私が拾ったチラシのように、風か何かでポストから落ちてしまうことだってあるでしょう。

いずれにせよ、人目に触れずにゴミとなってしまえば、迷子ペット様の目撃情報を集めることはできません。
つまるところ、目撃情報の収集という、最も重要な目的を果たすためのツールとしてチラシを活かしたいのであれば、ポストへの投函のみでは効率的とはいえません。
であるからして、確実に人手に渡るように、チラシは手渡しが望まれるわけです。

そのことについて触れながら、私は飼い主様にアドバイスをしました。

「これまた余計なお世話かもしれませんが、これから作成する分のチラシは、できるだけ手渡しで行った方がよろしいかと思います」
「なるほど……そうします」

私のアドバイスを素直に聞き入れた飼い主様は、率直に尋ねてきました。

「……ところで、捜し方についてお詳しいですね。過去に、ご自分のペットを捜されたことがあるのですか?」

当然抱くであろう質問に、私も率直に答えました。

「実は私、迷子になってしまったペット様の捜索を、仕事として、これまでにいくつも経験したことがありまして」
「そうなのですね!?」
「はい。誤解なきようにお願い申し上げたいのですが、だからといって、営業をかけているわけではありませんので。繰り返しになりますが、たまたまB君の迷子チラシを道で拾い、ついさっき、B君に似た柄の子を見かけたので電話を差し上げただけです」
「大丈夫です。営業だなんて、疑ってはいません。むしろ、ご親切にアドバイスを頂いて感謝しています」
「とにもかくにも、B君の無事発見・無事保護がかなうことをお祈り申し上げております。それと、飼い主様ご自身が体調を崩されぬよう、くれぐれもお気をつけください。B君を捜し続けてあげられるのは、飼い主様しかいませんので」

〈続く〉

あなた様とあなた様の大切な存在が
今も明日もLucky Lifeを送れますように

富山桃吉