新着情報

飼い猫様の窃盗 125

S君の飼い主様が不安を抱くのは、ごもっともでした。
動物病院での診察もさることながら、ご自分が退院できるまでの留守の間に、S君への給餌やトイレ掃除をどうするか、考えなければなりません。

「それについては、確かに対応が必要ですね。S君を放置し続けるわけにはいきませんし……。退院の目途について、現状、主治医の方はなにか仰っているのですか?」
「はっきりと日にちを告げられているわけではありませんが、もうすぐだとは思います。とはいえ、今日明日というふうには、いかないでしょうけれど……」
「よろしければ、私がご協力致しましょうか?」

メビー・ラックでご提供している『ペットホテル』や『ペットシッター』サービスについて私が話すと、S君の飼い主様の表情が、ぱっと明るくなりました。

「助かります! ぜひ、お願いしたいです!」

普段からメビー・ラックをご利用の方々はご存じだと思いますが、当方の『ペットホテル』は、スタッフが24時間常駐でのお世話を承っています。
故に、万が一、S君の体調が急変しても、すぐに動物病院へ搬送できるので、S君の飼い主様が抱く不安を軽減できるとは思います。

しかしながら、です。
せっかく家に帰ってくることができて穏やかにくつろいでいるS君を、再び移動させるのには気が引けます。
そのことを伝えつつ、私は一つの提案をしました。

「お宅の鍵をお預りさせて頂くことになりますが、『ペットシッター』サービスを私は推奨します。S君にかかるストレスを、少しでも軽いものにしてあげたいと思う理由からです」

私の説明に、S君の飼い主様も同意なさいました。

「Sのことを考えれば、その方がいいでしょうね。分かりました。『ペットシッター』サービスを利用させて頂きます」
「動物病院へは、S君の状態を見て大丈夫そうな時にお連れ致しますので」
「お願いします」
「それと、もう一つ」
「なんでしょう?」
「慎重すぎると思われるかもしれませんが、私を捜し回っている男たちの存在を考えれば、『ペットシッター』サービスにお伺いさせて頂くのは、べつのスタッフが良いかと考えます。この家に私が出入りしている姿を、もしも男たちに目撃された場合、飼い主様に要らぬご迷惑が降りかかってしまうのを防ぎたいので」
「お気遣い、ありがとうございます」
「伺わせて頂くスタッフは、メビー・ラック代表の岡村になると思われます。ペット様のお世話にかけては間違いないので、ご安心ください」
「分かりました。はあ、よかった! これで、一安心です」

これにて、S君の飼い主様は健康回復に専念できることでしょう。
私としても、一安心です。

〈続く〉

あなた様とあなた様の大切な存在が
今も明日もLucky Lifeを送れますように

富山桃吉