新着情報

飼い猫様の窃盗 127

「でしたら、案内がてらに、フード置き場とかをスマフォで撮影して頂いて結構ですよ。その方が、より分かりやすいでしょうし。どうぞ、上がってください」

確かに、その方が間違いはないでしょう。
S君の飼い主様のご提案を、私は有難く頂戴しました。

「では、お邪魔します」

玄関を上がって直ぐの寝室にS君が昼寝しているのは先ほど伺っていましたが、S君の飼い主様の説明によると、同部屋の中にフードと水置き場、トイレが設置してあるそうです。
それを確認しなければならないので、寝室のドアを開けてS君の飼い主様の後に続いて中に入ると、S君は本当にベッドの上で昼寝をしていました。
その姿に微笑ましさを覚えた私は、フードと水置き場、トイレの場所を撮影しました。

寝室を出た後、S君の飼い主様はリビングに移って、フードのストック場所を教えてくれました。

「この棚の中に、フードを閉まってあります。飲み水は、水道水で構いません」
「分かりました。トイレ交換用の砂は、どちらにありますか?」
「ソファ横にあるカゴの中です」
「これですね」
「はい」

それぞれの撮影を終えた私は、ほかに知っておきたいことを尋ねました。

「使用済みのフードボウルと水用ボウルは、キッチンの洗い場で洗えばよろしいですか?」
「はい。大丈夫です」
「洗う際は、水洗いのみですか? 洗剤を使用しますか?」
「この洗剤で洗ってください」
「使用済みのトイレ砂の処理方法は、いかがなさいますか?」
「さっきのカゴの中に入れてあるビニール袋とチラシ類に包んで、窓脇に置いてある専用のゴミ箱の中に処理してください」
「トイレ自体の洗浄は、どちらで行えばよろしいですか?」
「お風呂場でお願いします。黄色いスポンジが、トイレ掃除用です」

すべてを撮影し終えたところで、私は聞きました。

「S君は、ずっと寝室に居させた方がよろしいですか? それとも、訪問させて頂いている間は、部屋の中を自由に行き来させますか?」
「うーん……そうですね……」
 
おそらくは、

”部屋の中を自由に行き来させることによって、また逸走してしまったら……”

という不安を拭えないのでしょう。
そう察した私は、S君の飼い主様を安心させるべく、いいました。

「基本的に、訪問中には窓を開けることを致しませんので、ご心配なく。換気の必要性を感じた場合は、S君には寝室に入ってもらい、その姿を確認してから換気を行います」
「慎重な対応、ありがとうございます」
「当然ですので、お気になさらずに」

〈続く〉

あなた様とあなた様の大切な存在が
今も明日もLucky Lifeを送れますように

富山桃吉