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飼い猫様の窃盗 30

私が目指そうとした公園内の茂みの中は、『飼い猫様の窃盗 17』・『飼い猫様の窃盗 18』で触れた黒猫様と遭遇した場所の近くでした。
そこなら、公園の入り口から広場を貫いて続く歩道を男たちが歩いてきてもチェックしやすいからです。

目的地に到着するまでは、幸いにして男たちに見つからずに済みました。
辿って来た道程に捕獲器が設置してあることもなかったので、一先ずは落ち着き、捜索方法をどうするかに頭を切り替えました。

この後も男たちが執念深く私を捜し回るのであれば、今はこのまま張り込みに近い形で、捜索対象猫様の動きを見るのが得策と考えられます。
ならばと、私の視界が届く一番遠くの複数個所に、持っていたエサを撒きました。
それを食べにくる可能性に期待したわけです。

このまま男たちが諦めて去ったと仮定した場合は、捜索対象猫様の行方を追う方法に、大きな変化を加える必要はないと思いました。
というのも、捕獲器から解放してあげた猫様たちもそうですが、この地域で見かける猫様たちは皆、日々の食事に困った様子が見受けられないからです。
ガリガリに痩せてしまっている猫様がいないということは、どこかの誰かにエサを貰えていると考えられます。

その誰かは、ご自分の庭先でこっそりエサをあげているのかもしれません。
または、この公園内のどこかに、これまたこっそりとエサやりに来ている可能性もあるでしょう。

いずれにせよ、この地域は、複数の猫様たちのお腹を満たす量のエサが調達できるエリアなわけです。
そうなると、せっかくエサが手に入るこの地域を、捜索対象の猫様が離れる選択をするのか、疑いが残ります。

もちろん、周辺で生息する野良猫様たちとの力関係や縄張り問題も存在するので、威嚇されてたり追いかけられたりして、移動距離が延びる可能性も否定できません。
室内で暮らしていた時のように、満足するほどの量を食べられているという保証もありません。

また、飼い主様自ら行政機関や警察に迷子猫様の届けを出しているのですが、未だに保護されたという連絡は来ていない現状です。
聞き込みによってもたらされた情報でも、たとえば、近所で車に轢かれてケガをした、または亡くなっている猫様がいた、などの目撃談もありません。

それと同時に、現段階では、捜索対象猫様に似た猫様の目撃情報が乏しい事実もあります。

私は茂みに紛れながらも目だけは周囲の変化に集中し、頭の中でもう一度、これまでの捜索状況を整理し直しました。

〈続く〉

あなた様とあなた様の大切な存在が
今も明日もLucky Lifeを送れますように

富山桃吉