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飼い猫様の窃盗 37

ペット探偵:「まあとにかく、様子をみましょう。目撃情報があがってきたら、飼い主さんにもすぐに連絡しますし」
飼い主様:「目撃情報があがってきたとしても、仕事中だとすぐに確認にいけないのですが……」
ペット探偵:「焦る必要はありませんよ。目撃された場所から、そう遠くに行きませんから」
飼い主様:「そうなのですか!?」
ペット探偵:「プロとしての経験上、断言できます」
飼い主様:「じゃあ、前に目撃情報を頂いた場所の近くに、Sはまだいるのですか!?」
ペット探偵:「さあ。それは、なんともいえませんね」
飼い主様:「なぜです?」
ペット探偵:「プロのぼくが目撃したわけじゃないので」
飼い主様:「……え?」
ペット探偵:「変な話、その情報提供者がウソをついてるかもしれないじゃないですか」
飼い主様:「そんなことないと思います。目撃情報の電話をくださった方は二人とも、すごく親切でしたし」
ペット探偵:「そうはいいますけど、その後、連絡くれましたか?」
飼い主様:「いいえ。また目撃したら、連絡を頂けると約束はしてくれましたけど」
ペット探偵:「その程度の約束に、期待しすぎないことです。あくまでも他人事で、社交辞令程度なんですから」
飼い主様:「でもやはり、そんな方々のように思えないのですが……」
ペット探偵:「あのね、飼い主さん」
飼い主様:「……なんでしょう?」
ペット探偵:「飼い主さんは、プロのペット探偵ではありませんよね?」
飼い主様:「はい……」
ペット探偵:「だったら、情報提供者がウソをついているのか、本当のことをいってるのか、どうやって判断できるんです?」
飼い主様:「それは……」
ペット探偵:「そもそも、目撃したといっている猫がS君だという確証は? はたまた、S君じゃないという確証は? 根拠はなんですか?」
飼い主様:「ありません……」
ペット探偵:「ということは、『こうだといいな』という飼い主さんの思い込みにすぎないということですよね」
飼い主様:「……」
ペット探偵:「よくあるんですよ。だから、飼い主さんが撒いたチラシやポスターからの目撃情報や捜索は信用性に欠けるんです」
飼い主様:「……やらない方がよかったということですか?」
ペット探偵:「やるかやらないかは、自由です。ぼくがいいたいのは、プロじゃない飼い主さんの思い込みや憶測は、プロの捜索の邪魔になることがあるってことですよ」
飼い主さん:「邪魔になっているのですか?」
ペット探偵:「はっきりいわせてもらうと、役には立っていませんね」

〈続く〉

あなた様とあなた様の大切な存在が
今も明日もLucky Lifeを送れますように

富山桃吉