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飼い猫様の窃盗 56

23時頃にS君の逸走現場に到着した私は先ず、飼い主様のお宅周辺の立地を見て回りました。
立地の第一印象としては、これまでのブログで綴ってきた通り、ありふれた住宅街でした。
この時間帯の歩行者は多くなく、住民以外の車の通りも少ない場所なので、もっぱら静けさが漂っています。

立ち並ぶ一軒家やアパートは、新築よりも、築年数が経っているものが大勢を占めています。
飼い主様が住まわれているアパートが一番新しい、といった具合でした。

この環境だと、猫様が潜める箇所がたくさんあるので、S君の姿を目視できるチャンスが多いとはいえません。
目撃情報の電話が少ないのも頷けます。

つぎに向かった先は、一件目の目撃情報電話で教えてもらった地点でした。
その内容を飼い主様に確認したところによると、目撃された時間は夕方16時前だったはずです。
なので、すでに夜になってしまっている今この瞬間に、S君を目視できる可能性は低いかもしれません。
それでも、S君に似た猫様が座っていたのが空家の玄関辺り、ということだったので、この目で確認をしたかったのです。

夜とはいえ、空家の築年数は、かなりなものだと分かりました。
庭には雑草が茂り、建物自体の傷みも激しいので、建物のどこかに穴が開いていても不思議ではありません。
だとすれば、この空家を寝床にしている野良猫様がいても、特段、驚くにあたらないと判断しました。
とはいえ、私がいる今現在、空家に出入りする野良猫様はいませんでした。

そうして今度は、S君がつけていた首輪が落ちていないか、近辺に目を配りました。
長毛種の猫様は、狭いところをくぐる際に被毛が抜け落ちることがあるので、ついでに、それにも注意を向けました。
ですが、それらを見つけることはできませんでした。

上記を確認後は、二件目の目撃情報電話で教えてもらった地点に向かいました。
目撃された時間は正午過ぎだったはずなので、こちらに関しても、S君の目視が目的ではありませんでした。
目撃情報提供者が住まわれている、昔ながらのタバコ屋さんから、はす向かいに建つお宅の門柱が実際にどう見えるのか、の確認が主な目的です。

その甲斐があって、”門柱の隙間から、ひょっこりと顔を出した白猫様がいた”との証言には、無理がなさそうだと思いました。
タバコ屋さん側から門柱を見るのに、視界を遮るものは何一つないからです。

念のために、この場所でもS君の首輪や抜け落ちた被毛を探してみましたが、残念ながら見当たりませんでした。
近辺を歩く野良猫様たちの姿もありません。

〈続く〉

あなた様とあなた様の大切な存在が
今も明日もLucky Lifeを送れますように

富山桃吉