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飼い猫様の窃盗 64

明るい時間帯に捜索現場を歩いたことは正解でした。
人目につきにくい場所など、夜では判断が難しかった立地の特性を把握できたからです。

また、捜索現場の把握ついでにした聞き込みでも、有益な情報を得ることができました。
中でも、エサやリの女性以外から、”最近、近所の野良猫の姿が減っている”という証言をいくつか集められたことは、今後の捜索方針に少なくない影響を及ぼしました。

二、三時間歩いている最中には、何匹かの野良猫様を見かけることもできました。
その猫様たちに限っていえば、極端にやせ細っている子はいませんし、虐待を受けたと思われる怪我を負った子もいませんでした。

肝心の、S君に似た猫様に関しては、残念ながら真新しい目撃情報は得られませんでした。
それでも、捜索現場の把握という、一応の目的は果たせたので、私は最後に、エサやリの女性と話をした公園内を目指しました。

日中の公園内は、予想通り、深夜帯とは違って、人の姿を多く見かけました。
ただ、パッと見、エサやリの女性の元に集まっていた猫様たちの姿は確認できません。
やはり、それぞれがそれぞれの寝床を持っていて、エサやリの女性が来るまでは、そこかしこで休んでいるものと思われます。

私は、公園内のベンチに腰掛け、スマフォで天気予報をチェックした後、S君の飼い主様に電話を入れました。
上記のことを簡単に報告し終え、実際の捜索実施日についての相談を持ち掛けました。

「天気予報によると、明日は雨の心配はなさそうなので、よろしければ、早速、捜索を実施させて頂ければと思います。いかがでしょうか?」
「ありがとうございます」
「捜索内容としては、以前お伝えした通り、最新の目撃情報地点、つまりタバコ屋さん周辺を重点的に行おうと思います。もちろん、二つ目の目撃情報地点も含めてです」
「お任せします」
「捜索実施時間は、目撃された時間帯である正午すぎから夕刻ということでよろしいでしょうか?」
「異議はございません」
「承知致しました。では、そうさせて頂きます」
「はい。よろしくお願いします」
「明日の捜索に伺う前に、もしも目撃情報の電話がありましたら、私の方にも直ぐに連絡をください。場合によっては、捜索時間帯をずらして伺いたいと思いますので」
「分かりました」
「では、よろしくお願い致します」

電話を切った私は、いざS君の捜索準備に取り掛かるべく、公園内を後にしました。

”待っててね、S君!!!”

〈続く〉

あなた様とあなた様の大切な存在が
今も明日もLucky Lifeを送れますように

富山桃吉