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飼い猫様の窃盗 78

男たちの存在そのものはもとより、彼らが乗っていたバンにも注意しながらの捜索は、いつも以上に気を遣うため、集中力の維持が大変でした。
それでも、ここまでの間には、男たちと鉢合わせることは、幸いにしてありませんでした。

ついでにいうと、すっかり顔見知りになった野良猫様たちの無事も確認できました。
聞き込みで見知った方々とすれ違って挨拶を交わすこともあり、そういう意味では、男たちと遭遇してトラブルになったとしても、助けを求めやすい状況ではあります。

肝心要であるS君の姿はというと、23時を過ぎた今現在、目撃するには至っていません。
とはいえ、です。
ここから先が勝負の時間帯なので、私は気を張り直すために、一旦休憩を挟むことにしました。

公園付近の自動販売機でお茶を購入し、どこで休憩を取ろうかと考えている矢先のことです。
静けさの中、住宅街を抜けてきた一台の車が、公園脇の道路に停車しました。
走っている最中から、ヘッドライトは灯されていません。

もしや……。

残念ながら、嫌な予感は的中しました。
車はバンで、その中から三人の人間が降りてきました。
間違いありません。
例の、怪しげな男たちです。
先日現れた時間帯よりも早い時間帯にやってきた目的は、野良猫様の乱獲ついでに、私の姿をとらえるためかもしれません。

私は咄嗟に、自動販売機の陰に身を隠しました。
ここで男たちに捕まってしまうと、せっかくのS君保護のチャンスを棒に振ってしまうからです。

ならば、どうするべきか……。

男たちの動きを探りつつ、最善策を模索していると、一つの可能性に気づきました。

この時間帯だと、ひょっとしたら、エサやリの女性が公園内にいるかもしれません。
だとすれば、付近の野良猫様たちの大半は今、エサやリ女性の元に集まっているはずです。
その様子を知れば、男たちの方だって、堂々と捕獲器を設置できる状況ではないでしょう。

そうなると、エサやリの女性が公園を後にするまでは、私を捜し回ることに重点を置くと考えられます。
その間、上手く隠れ回っていれば、私が設置した捕獲器にS君が入ってくれるまでの時間を稼げます。
さらには、エサやリ女性に滞在時間を伸ばしてもらえば、もっと長く時間を稼げます。

すべては、エサやリ女性が今、公園内にいることが大前提です。

……お願いします!
……どうか、公園内でエサやリをしていますように!

私は祈りながら、スマフォを手にし、エサやリ女性に電話をかけました。

〈続く〉

あなた様とあなた様の大切な存在が
今も明日もLucky Lifeを送れますように

富山桃吉